スパイスカレーのレシピを見ていると、ときどき「テンパリング」という言葉が出てきます。
そして、
「テンパリングって、どのスパイスを使えばいいん?」
「クミンだけでいいの?」
「カルダモンやシナモンも使うん?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
テンパリングは、スパイスカレーの香りを引き立てる大切な工程です。
でも、使うスパイスによって香りの印象は大きく変わります。
例えば、クミンなら香ばしくスパイシーな香り。
カルダモンなら爽やかで華やかな香り。
マスタードシードなら、香ばしさや独特の風味を加えることができます。
つまり、どのスパイスをテンパリングするかによって、カレーの香りも少しずつ変わるんです。
では、実際にどんなスパイスがテンパリングに使われるのでしょうか。
この記事では、テンパリングに使われる代表的なスパイスと、それぞれの特徴を初心者の方にもわかりやすく紹介していきます。
そもそもテンパリングとは?
まずは簡単に、テンパリングについて確認しておきましょう。
テンパリングとは、ホールスパイスを油で加熱して、スパイスの香りを油に移す方法です。
油にスパイスを入れて加熱すると、香りが立ち上がってきます。
その香りを油に移すことで、カレー全体にスパイスの香りを広げやすくするわけです。
スパイスカレーを作っているときに、
「クミンを油で炒めたら、急にいい香りがしてきた」
という経験がある方もいるかもしれません。
あれがテンパリングの面白いところです。
ちなみに、テンパリングは料理の最初に行う場合だけではありません。
仕上げにホールスパイスを油で熱して、油ごと料理に加える方法もあります。
では、ここからが本題。
どんなスパイスがテンパリングに向いているのでしょうか。
テンパリングに使われる代表的なスパイス
テンパリングに使われるスパイスは、ひとつではありません。
代表的なものだけでも、
- クミンシード
- マスタードシード
- カルダモン
- シナモン
- クローブ
- フェンネルシード
- コリアンダーシード
- フェネグリークシード
- 唐辛子
などがあります。
もちろん、全部を一度に使う必要はありません。
むしろ、最初は少ない種類から試したほうが、それぞれの香りの違いを感じやすいです。
それでは、それぞれの特徴を見ていきましょう。
クミンシード|まず試したい定番スパイス
テンパリングをするなら、まず試してほしいのがクミンシードです。
クミンシードは、テンパリングに使われる代表的なスパイスのひとつ。
S&Bも、スタータースパイスの代表格としてクミンシードを挙げています。
油で加熱すると、クミン特有の香ばしい香りがふわっと広がります。
スパイスカレーを作っていると、
「これこれ、この香り!」
となりやすいスパイスですね。
クミンは、カレーの香りの土台を作るような存在。
初めてテンパリングに挑戦するなら、まずクミンシードから始めてみるのがおすすめです。
マスタードシード|パチパチ弾けるのが特徴
次に紹介したいのが、マスタードシードです。
マスタードシードは、油の中で加熱するとパチパチとはじけるのが特徴。
この「パチパチ」という音は、テンパリングをしている実感があって楽しいんです。
香りには独特の香ばしさがあり、特に南インド系の料理などでもよく使われます。
ただし、はじけるので油が飛びやすい点には注意しましょう。
ふたを使ったり、火加減を調整したりしながら加熱すると安心です。
カルダモン|爽やかで華やかな香り
以前紹介したカルダモンも、テンパリングに使われるスパイスです。
カルダモンの魅力は、なんといっても爽やかで華やかな香り。
油で加熱することで、その香りがふわっと広がります。
クミンが「香ばしい」なら、カルダモンは「爽やか」。
同じテンパリングでも、使うスパイスによって印象がかなり変わります。
カルダモンについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
→ カルダモンとは?特徴や香り、スパイスカレーで使われる理由をわかりやすく解説
シナモン|甘く温かみのある香り
シナモンも、テンパリングに使われる代表的なホールスパイスです。
シナモンと聞くと、
「お菓子に使うものじゃないん?」
と思う方もいるかもしれません。
でも、カレーとの相性も意外と良いんです。
油で加熱すると、甘く温かみのある香りが広がります。
カレーに深みや複雑さを加えたいときに活躍するスパイスです。
ただ、香りが強いので、最初からたくさん入れる必要はありません。
少量から試してみると、他のスパイスとの違いも分かりやすいですよ。
クローブ|力強い香りを加える
クローブは、かなり存在感のあるスパイスです。
独特の甘さを含んだ、少し薬品のようにも感じる強い香りがあります。
そのため、少量でもしっかり存在感が出ます。
カレーに深みのある香りを加えたいときには便利ですが、入れすぎには注意したいスパイスです。
「とりあえずたくさん入れればおいしくなる」
というものではありません。
クローブは特に、少量で香りの変化を楽しむのがおすすめです。
フェンネルシード|甘く爽やかな香り
フェンネルシードもテンパリングに使われることがあります。
特徴は、甘さを感じる爽やかな香りです。
クミンとはまた違った方向の香りを加えてくれるので、カレーの印象を変えたいときに面白いスパイスです。
特に、少し爽やかな香りを出したいときには使いやすいでしょう。
フェンネルは噛んだときにも独特の香りがあるので、ホールスパイスならではの存在感も楽しめます。
コリアンダーシード|やさしい香りと食感
コリアンダーというと、パウダーを思い浮かべる方が多いかもしれません。
でも、コリアンダーシードもテンパリングに使われます。
パウダーとはまた違い、ホールのまま加熱することで香りや食感を楽しめます。
コリアンダー特有の爽やかさや、少し柑橘系を思わせる香りが特徴です。
普段パウダーしか使っていない方なら、
「ホールにするとこんな感じなんや」
と新しい発見があるかもしれません。
フェネグリークシード|少し個性的な香り
少し聞き慣れない名前かもしれませんが、フェネグリークシードもテンパリングに使われるスパイスです。
独特の苦みや甘さを含んだ香りが特徴で、使い方によって料理に個性的な風味を加えてくれます。
ただし、入れすぎると苦みが強く感じられることがあります。
そのため、初心者の方は少量から試してみるのがおすすめです。
「ちょっと変わった香りを出してみたい」
というときに面白いスパイスですね。
唐辛子|香りと辛さをプラス
唐辛子もテンパリングに使われます。
もちろん、目的のひとつは辛さを加えること。
それだけではなく、油で加熱することで唐辛子特有の香ばしい風味も加わります。
ただし、唐辛子は焦げやすいため、加熱しすぎないよう注意が必要です。
S&Bも、チリペッパーは焦げやすいため、冷たい油から加熱する方法などを紹介しています。
辛さが苦手な方は、まず少量から試してみましょう。
結局、初心者はどのスパイスから使えばいい?
ここまでいろいろ紹介すると、
「結局、どれから使ったらいいん?」
となりますよね。
最初から全部そろえる必要はありません。
個人的におすすめするなら、まずはこの3つです。
① クミンシード
まずは定番。
香ばしい香りが分かりやすく、テンパリングの効果を感じやすいスパイスです。
② マスタードシード
パチパチとはじけるので、テンパリングそのものを楽しみやすいスパイス。
香りの変化も分かりやすいです。
③ カルダモン
爽やかな香りを加えたいならおすすめ。
クミンとはまったく違う方向の香りなので、比較してみると面白いですよ。
この3種類を使ってみるだけでも、テンパリングの奥深さをかなり感じられると思います。
スパイスを組み合わせると、さらに面白い
テンパリングの面白いところは、スパイスを単体で使うだけではありません。
例えば、
クミン+カルダモン
なら、香ばしさに爽やかさをプラス。
クミン+シナモン+クローブ
なら、温かみのある複雑な香りに。
マスタードシード+唐辛子
なら、香ばしさと辛みを組み合わせる。
というように、組み合わせによって香りの印象を変えられます。
スパイスカレーは、
「このスパイスを入れたら、この味になる」
という単純なものではありません。
複数のスパイスが重なることで、香りに奥行きが生まれます。
だからこそ、少しずつ試していくのが楽しいんです。
テンパリングするときの注意点
最後に、テンパリングで気をつけたいポイントを紹介します。
スパイスを焦がさない
一番大切なのがこれです。
スパイスは焦がしてしまうと、香りが悪くなったり、苦みが出たりします。
「香りを出そう」と思って加熱しすぎないようにしましょう。
火加減は強くしすぎない
最初は弱火〜中火くらいから試すのがおすすめです。
スパイスによって香りが立つタイミングは違うので、音や香りを確認しながら加熱しましょう。
最初はスパイスを少なめに
いきなり何種類も入れると、
「結局どのスパイスの香りなん?」
となってしまいます。
最初はクミンだけ。
次はクミン+カルダモン。
そんなふうに、一つずつ増やしていくと違いが分かりやすくなります。
よくある質問
テンパリングには何のスパイスを使えばいいですか?
代表的なのはクミンシードです。
そのほかにも、マスタードシード、カルダモン、シナモン、クローブ、フェンネル、コリアンダーシードなど、さまざまなホールスパイスが使われます。
パウダースパイスでもテンパリングできますか?
一般的なテンパリングでは、ホールスパイスがよく使われます。
油で加熱して香りを引き出すという目的に加えて、ホールスパイスならではの香りや食感も楽しめるためです。
パウダースパイスは焦げやすいため、テンパリングとは別のタイミングで使うことが多いです。
クミンだけでも大丈夫ですか?
もちろん大丈夫です。
むしろ、初めてテンパリングをするならクミンシードだけで試してみるのもおすすめです。
クミンの香りが油に移っていく変化を感じやすいので、テンパリングの基本を覚えるのにも向いています。
テンパリングのスパイスは全部食べるものですか?
スパイスによります。
ホールスパイスをそのまま料理に残して食べる場合もありますが、シナモンやカルダモン、クローブなどは香りをつける目的で使い、食べる前に取り除くこともあります。
まとめ|テンパリングはスパイスの香りを楽しむ工程
テンパリングに使われるスパイスは、クミンだけではありません。
クミンシード、マスタードシード、カルダモン、シナモン、クローブ、フェンネル、コリアンダーシードなど、さまざまなホールスパイスが使われます。
そして、それぞれ香りの特徴が違います。
香ばしさならクミン。
爽やかさならカルダモン。
独特の風味ならマスタードシード。
甘く温かみのある香りならシナモン。
力強い香りならクローブ。
こんなふうに覚えておくと、スパイス選びが少し楽しくなります。
最初からたくさんのスパイスを買う必要はありません。
まずはクミンシードをひとつ用意して、油の中で香りが変化していくところを楽しんでみてください。
そこからカルダモンやマスタードシードなど、少しずつ種類を増やしていく。
そうすると、
「スパイスを入れる」
というだけだったカレー作りが、
「香りを組み立てる」
という、ちょっと面白いものに変わってくるはずです。
スパイスカレーの魅力は、こういう小さな違いを自分で試せるところにもあるんです。


