スパイス図鑑 Vol.5 カルダモン

カルダモン

一般的には知名度の低いスパイスの一つかと思います。

ですが、ひとたびスパイスの世界へ飛び込むとあら不思議。

「スパイスの女王」

と呼ばれる大物だったりします。

まさに知る人ぞ知る、といった感じでしょうか。

そんな大それた名前を持つカルダモン

その名に恥じぬ甘くエキゾチックで、爽やかな強い香りを持っています。

そんなカルダモンの歴史は古く、紀元前1000年以上前から存在し、使われてきたと言われています。

古代エジプトでは「聖なる香煙」として、神殿での祈祷の際にたかれるお香の中に使用されるなど、食事以外の場面でも利用されてきました。

カルダモンの種類

カルダモンは大きく2種類に分けることができます。

「グリーンカルダモン」と「ブラウンカルダモン」

その名の通り、見た目の色で判別できます。

「グリーンカルダモン」はスパイスの世界では一番いいカルダモンとされています。

1センチほどのさやに種が10〜20粒ほど。

スーパーなどで一般的に流通しているのはこっちですね。

スパイスコーナーに行ってみると置いていると思います。

対して「ブラウンカルダモン」

こちらはマイノリティーと言っていいでしょう。

その名の通り、茶色(黒っぽいことも)がかった色をしており、表面がグリーンカルダモンよりざらついています。

こちらは種が40〜50粒入っています。

カルダモンの効能

カルダモンには次のような成分が含まれています。

・1.8-シネオール(抗ウイルス作用、免疫調整作用)

・酢酸テルピニル(食欲増進、消化不良の解消、胃の痙攣を抑える効果)

・酢酸リナリル(中枢神経鎮静、抗うつ作用など)

・α-テルピネオール(抗炎症、抗アレルギー作用、喘息作用、鎮咳作用、収れん作用、胆汁分泌促進作用、催眠作用)

・リナロール(抗不安作用、血圧降下作用、抗ウイルス作用、抗菌作用)

これらが合わさって、森林に似た清涼感ある香りと柑橘のような爽やかな香りが混じりあった、カルダモン独特の芳香をつくっています。

上記の通り、抗菌作用や消化を助ける効果を持つカルダモンですが、その他にも「講習予防」にも用いられています。

インドでは、口臭を消すためにカルダモンをそのまま食べることもしばしば。

まとめ

独特な香りを持ちながら、その効能から食用のみならず多方面での活躍が目立つカルダモン。

これこそがスパイスの女王と呼ばれる所以ではないでしょうか?

カレーのイメージが強いカルダモンですが、クッキーやパンなど甘いものとの相性も抜群です。

是非一度お試ししてみてはいかがでしょうか。